風船おじさん


鈴木 嘉和
すずき よしかず

ご存知ですか?風船おじさんのことを。
ピアノの旋律師である鈴木 嘉和は、1992年11月23日、琵琶湖畔からヘリウムガスを注入した風船に檜のゴンドラで、アメリカ ネバダ州サンド・マウンテンへ向けて飛び立ちました。ゴンドラは「ファンタジー号」と名づけられ、海で浮くという理由から檜の箱にビニール製の風船26個(直径6メートルの風船を6個/直径3メートルの風船を20個)を結びつけたものです。当初、運輸省などから安全性を理由に出発の許可は下りていましせんでしたが、11月23日の午後4時すぎに「アメリカに、行ってきます」と言葉を残し、飛び立ってしまいました。
翌24日は、持参した携帯電話で連絡がとれましたが、翌々の25日早朝に「ファンタジー号」からSOS信号が発せられました。捜索機がむかうと、宮城県金華山沖の東約800km海上に「ファンタジー号」は飛行していました。鈴木は、捜索機に向かって手を振りSOS信号を止めました。捜索機は、約3時間の監視後、追跡を打ち切りました。これが風船おじさんを確認した最後の記録となり、その後の消息は途絶えてしまいました。
なぜ、このような冒険をしてまで、アメリカへむかったかというと、ロマンチックな夢を追いかけることもあったかも知れませんが、環境汚染されている“鳴き砂”の保護を訴えるため風船飛行にチャレンジしました。目的地であったアメリカのサンド・マウンテンは、山に砂が多く、“鳴き砂”として知られていましたが、近年若者が4WDの自動車で山を登るようになり、砂が汚れて鳴かなくなっていました。鈴木は、風船飛行でアメリカに渡り、そしてアメリカの人たちに“鳴き砂”の保護を訴えることが目的でした。自然への愛を訴え、夢を見つづけた鈴木は、今も世界のどこかで夢への実現を願っているのではないでしょうか。

鳴き砂とはミュージカルサウンドとも呼ばれ、砂浜や砂漠などの砂が摩擦を起こして「キュッキュッ」と音がでる現象で、環境汚染の少ないきれいな場所だけにみられます。代表的な場所として日本では京都の琴引浜、世界ではオーストラリアのゴールドコーストや中国の鳴沙山(めいささん)などが有名です。近年では環境汚染がすすんでおり、鳴かなくなった砂も多くなっています。



ファミローザ・ハーモニー
鈴木の家族は、1994年の国際家族年に妻由起子を中心に、3人の姉妹とともに本格的な演奏活動を開始しました。目にみえない大切なものを追い求め、曲の持っている情念を表現できる音楽を目指し、ジャンルを超越した誰でも親しみの持てるクラシック音楽や童謡を奏で、愛と感動を贈り続けています。
なお、三女の富美子は2003年にアーティスト名“fumiko”としてCDデビューをはたしています。そして翌年には、「鳴き砂コンサート」ツアーを開始するなど、鈴木と同じように音楽を通じ、自然の大切さや夢を伝えつづけています。



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